暑さが収まる頃を「処暑」と言います
今年の8月23日(月)~ 9月6日(月)は二十四節気の14番目にあたる「処暑」。
「暑さが峠を越える」という意味で、朝晩はひんやりする頃です。
古代中国で誕生した「二十四節気」が日本に伝わったのは飛鳥時代。
美しい言葉の一つひとつに、各時期の天候や動植物の様子を当てはめ、古の人々は四季の移ろいを感じ、気候に寄り添った暮らしを営んでいたのでしょう。
古い暦と今の季節はあまり一致していないかもしれませんが、私が京築の畑で農作業をする際、朝晩川から立ち昇る空気がひんやりしてきたと感じるのは、まさにこの時期。
街なかとは違い、山あいは少し先の季節が訪れるので、古い暦を実感できることも多いのです。
処暑の旬を楽しむ
処暑に旬を迎える食材のひとつに、スダチやカボスがあります。
土瓶蒸しや焼き魚に添えると、爽やかな香りとフレッシュな酸味に包まれ、料理が一層引き立ちます。旬は秋だと思っていましたが、実際は8月ごろから迎えるようです。
スダチやカボスの果汁にはクエン酸が多く含まれ、「医者いらず」と言われています。
疲労回復や食欲増進、ミネラルの吸収を促す効果が期待できるので、今の時期が旬というのは理にかなっていますね。是非、スダチやカボスを積極的に取り入れてみてください。
また、8月末あたりに獲れた北海道産のサンマは、脂がのっていて大変美味しいそうです。
小学生の頃、私の母は時々、七輪を使って魚や野菜を焼いていました。
当時は子どもだったので、魚の内臓が苦くて食べられなかった記憶がありますが、今は苦味が美味しいと感じています。
昔のような丸七輪ではないですが、サンマにスダチやカボスを絞って食べたいと思い、早速実践してみました。
サンマを焼くときに使う炭は、いつもこの地域の森林組合が作る炭を購入しています。
組合が作る炭は、森を守るために間伐した木材を使っているので「持続可能な社会」を目指す取り組みへの一助にもなります。
当社では4年前より福岡県や西日本工業大学と連携して、産官学による「京築のヒノキと暮らすプロジェクト(ちくらす)」に参画し、森林資源の新たな利用方法を提案する活動を行っています。この活動については、改めてご紹介させていただきます。
処暑のもう一つの懐かしい思い出はブドウ。
果肉は適度に酸味があり、その奥に深い甘味が口いっぱいに広がります。
しかし当時のブドウは、売場ではあまり見かけません。スタッフに尋ねると、私が食べていたのはおそらく「キャンベルアーリー」という品種だそうですが、残念ながら現在はあまり流通していないそうです。しかし私のように『昔食べていたブドウを食べたい』と、売場に足を運ぶお客様もいらっしゃるそうです。
プラスチック製品削減への取り組み
2021年6月1日より、小倉店の社員食堂で紙製ストローの提供を開始しました。
近年深刻な問題となっている、プラスチックごみによる海洋汚染に配慮した取り組みです。
まだまだ小さな一歩ですが、可能なところから少しずつ、サステナブルな未来につながる取り組みを実践していきたいと考えています。
筆者プロフィール
井筒屋CSR・ESG担当マネージャー:中尾裕
「CSR」(企業の社会的貢献)と「ESG」(環境・社会・ガバナンスという観点から企業が長期的に成長するうえで重視すべき3つの要素)に関する具体的な取り組みの企画・運営を担当。弊社「サステナビリティ委員会」の事務局として、環境や街づくりに資する活動などを管理・統括、発信することで、パブリックイメージの向上に繋げています。