もち米の稲田
2021年秋 福岡県みやこ町
昼と夜の長さがほぼ同じになる「秋分」
9月23日(木・祝)~ 10月7日(木)は二十四節気の16番目にあたる「秋分」。
「秋を分ける」という漢字が表すように、暦の上では秋の中間です。
そして「秋分の日」の前後三日間は「お彼岸」。
祖先を敬い、亡くなった人を偲ぶため、お墓参りをする人も多いことでしょう。
お彼岸のお供え物の定番といえば「おはぎ」や「ぼたもち」ですが、皆さんは2つの違いをご存じですか?
「おはぎ」と「ぼたもち」の違い
私も今まで、明確な違いが分からなかったので、ちょっと調べてみました。
「おはぎ」「ぼたもち」の材料となる小豆の収穫は秋。
「ぼたもち」は冬を越した春に、固くなった小豆の皮を取り、こしあんにして春のお彼岸にお供えしました。
なので「ぼたもち」はこしあん。
一方、「おはぎ」はとれたての小豆を使うため、皮ごと使った粒あんを使用し、秋のお彼岸に供えられていました。
だから「おはぎ」は粒あん。
今ではこうした違いにこだわらず、呼び方も地域性などがあるのかもしれませんが、本来は春と秋で区別し、作り方も違っていたようです。
この違いに、古(いにしえ)の人たちの知恵を感じますし、
おいしく、食べやすくするということは、食品ロスをなくすことにも繋がります。
「おはぎ」の材料でもあるもち米の稲穂は、米よりも背丈が高く柔らかいので、正月のしめ縄づくりに利用されています。古来より続く大切な伝統行事はサステナブルな暮らしといえるでしょう。
私が幼い頃、母はお彼岸が近づくとお供え用の「おはぎ」を近くの団子屋で買う他、時々手作りもしていました。
お供えが終わり、待ちに待った「おはぎ」を食べる幸福な時間。
何とも言えない甘さに「世の中にこんなにおいしいものがあるのか」と感動していたことを今でも鮮明に覚えています。
少し大げさかもしれませんが、おはぎを作り、子どもたちに食べてもらうことは、私たちの生活だけでなく、将来の子どもたちの生活を守るというメッセージが込められています。
すなわち「サステナブル」で「エシカル」な社会の実現へと近づいていくのかもしれません。
違いも分かったところで今年の秋のお彼岸は「おはぎ」を作ってみました。
真ん中は地元で購入した大豆を使ったきなこです。
おはぎの小豆もきなこの大豆も地元産なので地産地消ですね(笑)
作るのは大変だという方は、小倉店地階 食品フロアではお彼岸の時期に合わせて、通常お取り扱いのない「おはぎ」の販売を行います。
ぜひご利用くださいませ。
2021年9月20日(月・祝)~28日(火)
〈湖月堂〉・・・エスカレーター横和菓子プロモーションスペース
〈如水庵〉・・・全国銘菓前イベントスペース
2021年9月20日(月・祝)~25日(土)
〈和作〉
2021年9月23日(木・祝)・24日(金)
〈なごし〉
通年販売
〈まんえい堂〉
おはぎ・・・(2個入り) 302円、(3個入り) 453円
去年から「サステナブルアクション2021」の1つとして、井筒屋で回収された不要なコピー紙などを分別収集していました。
こうして集めた用紙をアップサイクル※し、本館6階〈きたきゅうコロンブス〉の手提袋を作製いたしました。
井筒屋、エプソン(企業)、NPO法人わくわーく(障がい者施設)及び、北九州市が協業したプロジェクトです。
9月19日(日)より提供を開始します。
※「アップサイクル」とは、本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアなど、新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードし、生まれ変わらせることを言います。
↑無償で提供する紙の手提袋
W240×H250mm
(底面) W240×H60mm
↑有料手提袋
(ラミネート加工)
W180×H250mm
(底面) W180×H60mm
この手提袋を作ることは、環境に資する取り組みというだけでなく、作製に携わる障がい者の方たちの自立支援にも繋がります。
こうしたプロジェクトが持続可能になることこそが、一番の社会貢献。
これからも、引き続き取り組んでまいります!
筆者プロフィール
井筒屋CSR・ESG担当マネージャー:中尾裕
「CSR」(企業の社会的貢献)と「ESG」(環境・社会・ガバナンスという観点から企業が長期的に成長するうえで重視すべき3つの要素)に関する具体的な取り組みの企画・運営を担当。弊社「サステナビリティ委員会」の事務局として、環境や街づくりに資する活動などを管理・統括、発信することで、パブリックイメージの向上に繋げています。